正社員として働く人が2021年に3565万人と過去最多になった。一方で深刻な人口減を背景とする構造的な人手不足から、企業においても優秀な人材確保と生産性の向上の観点から、人材の質を高める再教育や柔軟な働き方を認める環境整備が課題となっている。
副業の解禁
企業が副業を解禁する理由として、従業員の収入増、人材育成、従業員のスキル向上等が挙げられる。企業は生産性の向上という面から、個人の主体的キャリア形成が、企業の持続的成長につながると考えている。「自社以外で働くことで視野を広げ、スキルを磨き、それを自社に還元する」これこそが企業にとっても新たな価値を見出す可能性と考えている。
個を磨く機会の支援
現在、週休3日制度を導入している企業が増加している。同制度を取り入れる狙いとして、働き手のウェルビーイング(心身の健康や幸福)向上、リスキング(学び直し)に充てることが挙げられる。経済のデジタル化が進むなか、人的資本の企業価値に与える影響が大きくなっている。企業の競争力がソフトウェアや特許など無形資産に移るなか、教育や訓練などを充実させて企業価値を高める必要がある。実際、企業が社員の学び直しを後押しする制度を相次ぎ取り入れている。
ジョブ型雇用の導入
日本の雇用は、新卒一括採用、年功序列の終身雇用を前提に、メンバーシップ型雇用が主流であった。しかし、デジタルトランスフォーメーション(DX)やIT化が進む中、企業内の配置転換を通してきた訓練では環境の変化に対応できない。そこで、事前に職務内容を明確にし、デジタル技術やマーケティングなど専門職別に人材を登用することで事業環境の変化に適応でき、人員の最適配置が実現可能となる。